= vol.4 =
月に一度、いだきしん先生がコーヒーを焙煎する為に、結工房にお越しになります。
雨が降る五月の日、大きな車が結工房に止まりました。
結工房に生きる生き物は勢ぞろいで並んで、いだきしん先生と女王様をお迎えします。
女王さまが、コーヒーを淹れていると、コーヒーが喜び、溢れ出る勢いでした。すると、何者かわからない生き物が、「ほー」と鳴きました。泣いてもいました。その声は真の声でした。女王さまは真の声は聞こえる方です。
アホウドリは大喜びで涙を流していました。やっと正体を見つけてもらえ、自分が何者かをわかり、安心したのです。いつも何者かがわからずに、人の真似をしたり、人と同じように振る舞い、失敗したりします。怒られても何で怒られているかもわからずにポカンとしているので、また怒られます。それでも結工房での暮らしが楽しくて、毎日いるのです。ここから離れることは考えられません。ここは食べものが美味しくて、皆が笑顔で暮らしています。美味しいものを食べる時は、皆で喜び、ただ楽しいのです。今日も楽しく皆で熊が作ってくれたカレーを頂きました。世界中のあらゆる生き物が暮らせる場です。ここにいると、自分の正体が分かります。何者かがわかると、安心して暮らしていけます。そして皆と仲良く生きていけます。ありがとうございます。